伝道シリーズ第1弾 No.011-020

No.014 恵みの雨

伝道シリーズ第1弾 No.014 恵みの雨

「鬱」という字は、「ウツ」と読みます。
読むのも、書くのも大変な字です。
でも、この字でできた言葉を、私たちは、意外と使っているのです。
たとえば、ストレスの多い現代社会では、人々の不平不満は、「うっ積」しています。
そして、そんな状態が長く続くと、心は「憂うつ」になってしまいます。
まして、どんよりした梅雨空と眺めると、気分は、「うっ陶しく」なるんじゃありませんか。

でも、そんな時、心をなごませてくれるのは、紫陽花の花ではないでしょうか。

誰もが、いやがる雨の中で、いきいきしているその姿を見ると、水ってやっぱり大切なんだなと考え直させられます。

かつて私たちの国、日本には、瑞穂国(みずほのくに)という美しい言葉がありました。
瑞穂とは、みずみずしい稲の穂で色どられた平和な世界というのが、古代の人々がイメージした私たちの国ではなかったでしょうか。

休耕田が増え、荒れ果てた農地が多くなった風景を見るにつけ、渇ききった現代人の心を思わずにはおれません。

「鬱」には、こんもりと生い茂るという意味もあります。
雨を恵みと受けとめる心のゆとりを取り戻したいものですね。

(寺の友社 教宣編集室 謹製)

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