仏さまは因果の法を説かれます。この世に在るものには、すべて原因があり、その結果は必ず生じる。
一言で言えば、簡単なこの法も、現実に目を向けると、矛盾だらけ。
善人がしいたげられ、悪人がのさばってる世の中に「何が善因善果、悪因悪果だ」と文句を言いたくもなります。
でもそんな私達の不平不満を、仏さまはとっくに、お見通し、「善を施すに、その報いを求めてはならない」と戒められます。
「それじゃあ、善いことをするだけ損だ」と反論する人がいるかもしれません。
しかし「善いことをできるだけ、自分は幸せだ」と素直に受けとめる人もいます。
だからこの法は、善因楽果・悪因苦果だと考えるべきだとも言われます。
善いことをすれば、心が楽になり、欲の苦の海から救われるという解釈です。
仏さまの説かれるように、やはり因果の種はちゃんとその芽を出すと考えるべきなのです。