「∞」、これは数学の記号で無限大を意味します。
無限大とは、限りなく大きいということ。
仏さまの慈悲の大きさを表すとすれば、この記号以外にないかもしれません。
これに対して無限小という言葉があります。
もちろん反対の限りなく小さいという意味です。
でも、どんなに小さくても、目に見えなくても、ゼロ、すなわち、ないという意味ではありません。
無限小は、無限大になる可能性を秘めた存在なのです。
たとえば、どこから飛んで来たか分からないタンポポの種でさえ、風に乗り、土に落ち、縁さえあれば、春の訪れと共に芽を出し、花を咲かせます。
他の花に較べ、それほど美しくはないけれど、タンポポは全世界に分布しているのだそうです。
素晴らしいとは思いませんか。
仏さまの教えも、これに似ています。
人は、その「∞」のいのちの世界に気づいていないのかもしれません。
でも、仏さまの教えは知らぬ間に、あなたの心に、ちゃんと種まかれています。
大慈大悲という春の光の下(もと)で。