親が子を大切に育てることを〈手塩(てしお)にかける〉といいます。
この手塩、元来は食膳に塩を盛った小皿があったことに由来するそうです。
その塩を自分の手でつまんで、めいめいが好みの味つけをした。
そこから転じて、子育てに気 を配ることの意味にもなったといいます。
だから辛すぎても、甘すぎてもいけないのが手塩のコツ。
いつだったかテレビで「お母さんが、おにぎりを作る時、手にお塩をかけて握るでしょう。
子供にお腹いっぱい食べて欲しいと願いながら握るおにぎり。
それこそ教育の原点です」という話を聞きました。
どんなご馳走よりも母親の愛情のこもったおにぎりは、子供にとって生涯忘れられないもの。
ちょっぴり効いた塩味は、叱られた時にこぼした涙の思い出にも繋つながるかもしれません。
たまには、あなたの逞しいその手で「ありがとう」とお母さんの手を握り返してあげて下さい。
親は、それだけでも、育てた甲斐があったと喜んでくれるものなのです。