伝道シリーズ第1弾

No.016 信仰の機織り

 お経といえば、仏さまの教えのこと。でも、〈経〉という字を引くと、ちょっと違った意味に出会います。
 それは〈タテ糸〉という意味、布施のもとになるタテ糸のことです。ヨコ糸は〈緯〉といいます。今でも地球上の位置を示すのに、経度、緯度という用語に、この意味が使われています。
 さて、機を織るには、まずこのタテ糸を張り、次にヨコ糸を織り込んでいきます。
 このことからタテ糸は、つねにまっすぐに通った道、すなわち“不変の道理”という意味に転じ、教えをあらわす書物を〈経〉と呼ぶようになったのです。
 こう知れば、仏さまの教えは宇宙に張りめぐらされた真理のタテ糸。ヨコ糸を織りこむのは、今生きている私たちではないのかと考えられます。
 どんな真理でも、それを活用する人間がいなければ、この世にはあらわれません。だから、仏さまは、私たちに信仰の機織りをしなさいと呼びかけてくださっているのではないでしょうか。
 心に仏さまとのご縁を結び、それぞれの人生模様を織りこんでください。それが、あなた自身の布教にもなるのです。 (寺の友社 教宣編集室 謹製)

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