伝道シリーズ第1弾

No.015 学ぶ心得

 物事の真の姿をはっきりと見きわめる心のはたらきを「心眼」といいます。もちろん物事を見るはたらきは、目がします。でも心がしっかりしていないと、目は清浄(しょうじょう)なはたらきをすることができなくなります。目が見えるばっかりに、かえっていろんな迷いを起こしてしまうということにもなりかねません。だから物事を知ろうとする時には「心の眼で見よ」と仏さまは説(と)かれるのです。
 まず物事は平静な心で見ることです。そうすれば、正しい判断ができます。そして学ぶ心で見れば、どんな物事からも、なにかを教えられ、素直な心で見れば、生かされている生命(いのち)の尊さに感動します。
 見識(けんしき)とは、よくいったもので、見るとは識(し)ることの大本(おおもと)です。だからなんでも、よく見なければなりません。  私たちは生まれた時からまわりの物の見よう見まねで大きくなって来ました。学ぶという言葉のもとは「まねぶ」だといわれます。
 どうせ真似(まね)るなら、よりよく真似なければなりません。心が曲がっていては、間違った真似をしてしまいます。
 私たちが正しく生きようと心がける時、まわりの物は、みな先生として目に映るのです。
(寺の友社 教宣編集室 謹製)

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