伝道シリーズ第1弾

No.024 自然の声

 秋は、爽やかという言葉が、ぴったりと来る季節。肌を撫でる風が、夏の疲れも癒してくれます。
 風の便りに聞けば、たれパンダなるキャラクター商品があるとか。その人気の秘密は、垂れ目のパンダの頼りなさそうな顔を見てると、なぜだか心が癒されるからだそうです。もっとも、ある人に言わせると、「あんな人形のどこがいいのか」と不思議がっていましたが、人それぞれ、それはそれでいいのじゃないでしょうか。
 ところで、秋を演出してくれるもう一つのものと言えば、なんと言っても虫の声。リーンリンと鳴く鈴虫や、チンチロリンという松虫の音は、秋の夜をいっそう思い深いものにしてくれます。おっと忘れていたのがクツワムシ。決して美しくはないけれど、あのガチャガチャという音は、「儂も頑張ってるぞ」とその存在をアピールしています。
 きっと、昔日の修行僧も、自然の声に耳を傾けていたことでしょう。
 名僧・高僧の思索には、遠く及ばないけれど、疲れた心を癒すという意味で、虫の声にわが心を聞くことも良いのではないでしょうか。
 もの思いにふける、それはやっぱり秋ですね。 (寺の友社 教宣編集室 謹製)

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