伝道シリーズ第1弾

No.019 彼岸への渡し船

 彼岸とは、仏さまの悟りの世界、それに対して私たちの住む迷いの世界を此岸と呼びます。
 この二つの世界の間に流れているのが三途の川。この川には、その名のごとく火途(地獄道)・血途(畜生道)刀途(餓鬼道)の三つの瀬があり、人は死後、その行いや罪の重さによって、いずれかの途を渡らねばならないといいます。
 そこで仏さまは人々に「今までの生き方を悔い改めよ」と懺悔の法を説き、救いの“船”を用意されるのです。
 どんなに大きな石でも、船に乗せれば水に浮かぶように、罪の重さで、苦しみの底に沈もうとする人々に、大切なのは素直に反省する心です。
 自分は何一つ悪いことをしていないから、そんな必要はないなんて思わないでください。たとえ小さな針でも、そのままでは水の底に沈んでしまいます。
 迷いの岸から、悟りの岸へ。あなたの合わす手と手の中に、仏さまの“渡し船”はいつでも用意されているのです。 (寺の友社 教宣編集室 謹製)

ページトップへ