伝道シリーズ第1弾

No.018 忠告を聞ける心を

 他人に自分の欠点を指摘されるのは、決して愉快なことではありません。時には「余計なお世話」と腹の立つことさえあります。
 しかし、こちらのためを思って言ってくれると感じたら、あまり我を張るのは考えものです。やたら、拒否反応を示すばかりでは、「この人は度し難い」と、相手からもソッポを向かれてしまいます。
 〈度す〉とは〈救う〉という意味の仏教語です。いくら、仏さまのような人でも、相手にその気がないと救う手立てがありません。
 欠点は誰にでもあります。それも、他人から指摘されて、初めて気づく場合が多いのです。
 心に「よくぞ注意してくれた」というゆとりを持ちましょう。そう心がければ、たとえ悪口と思える言葉でさえ、こちらの受け取り方しだいで善言にも転じてくるのです。
 ひょっとしたら、恨む気持ちは消え、感謝の念さえ起こるかもしれません。
 あの時言われた一言に、いつまでもこだわるより、今ではそれが心の道標になったと思える生き方を求めてください。〈人間、いわれるうちが花〉という言葉もあるのですから。
(寺の友社 教宣編集室 謹製)

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