伝道シリーズ第1弾

No.009 善知識

 人生は人と人との出会いです。まったくの知らない者同士が、ふとしたキッカケから一生忘れられないような友だちになるのはよくあることです。そうかと思えばちょっとしたことで傷(きず)つけ合って別れてしまうこともあります。
 でも、一人ぼっちでは生きられない私たちは、いつも心のどこかで本当に慰(なぐさ)め合い、励(はげ)まし合える友だちを求めているものです。
 どんなに人間嫌いの人だって、何かを友にして、生きているものです。〈共(とも)〉に人生を、分(わ)かちあってくれるもの、それが〈友(とも)〉という言葉の始まりではないでしょうか。
 しかし、友も友によりけりです。昔から「朱(しゅ)に交まじわれば赤くなる」という言葉があるように、善(よ)くも悪(わる)くも影響し合うのが友です。お互い信頼し成長し合うような友だちを選んでください。
 仏教では、自分が悟(さと)りを開く縁を作ってくれる人のことを「善知識(ぜ んちしき)」と呼びます。友は、お互い善知識でなければなりません。
「朋(とも)有りて遠方より来る。亦悦(またよろこ)ばしからずや」(論語)とい うような友だちを、私たちは持ちたいものです。(寺の友社 教宣編集室 謹製)

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